腫瘍科

犬や猫の死因も「がん」がトップ!?

身体の中の細胞が突然変異を起こし、勝手に過剰増殖する「がん」。人間(日本人)の死因第1位であることは知られていますが、実は犬は47%・猫は32%と、ペットでも死因のトップになっています(1998年 マーク・モリス研究所)。がん治療のカギは、人間の場合と同じように「早期発見」「早期治療」です。定期検診やメディカルトリミングなどを通じて早期に発見してあげるようにしましょう。また、少しでも異変を感じたら、早めにご相談にいらしてください。

特にがんになりやすい犬種

ゴールデンレトリバー 皮膚腫瘍、肥満細胞腫、頭頸部腫瘍、消化器腫瘍、骨腫瘍、リンパ腫
シェルティー 皮膚腫瘍、頭頸部腫瘍、泌尿器腫瘍(特に膀胱上皮がん)、生殖器腫瘍、リンパ腫、呼吸器腫瘍、内分泌腫瘍(特に甲状腺がん)
マルチーズ 乳腺腫瘍
シーズー 皮膚腫瘍、乳腺腫瘍

(麻布大学 信田卓男教授、日本小動物獣医学会会誌61,867-872(2008))

※上記は特にがんの注意が必要な4種です。他の犬種は大丈夫ということではありませんので、ご注意ください。

腫瘍別

肥満細胞腫になりやすい犬種 ゴールデンレトリバー、柴犬、パグ、ラブラトルレトリバー
乳腺腫瘍になりやすい犬種 シーズー、プードル、マルチーズ、ヨークシャーテリア
膀胱腫瘍になりやすい犬種 シェルティー、スコッチテリア
リンパ腫になりやすい犬種 アメリカン・コッカスパニエル、ウェルシュ・コーギー、ゴールデンレトリバー、シェルティー
甲状腺癌になりやすい犬種 シェルティー、ビーグル

当院のがん治療



がんの認定医による治療

当院には、日本獣医がん学会認定の腫瘍科認定医(Ⅱ種)が在籍しており、がん治療に特化した様々なトレーニングや臨床を積み重ねてきております。現在も、常に最新の知識や技術を取り入れて、より精度の高いがん治療を行うように日々の研鑽を続けています。

各種検査による状況把握

適切な治療を行うためには、まず身体の状態を正確に把握することが大切です。「しこりを発見したのはいつか」「大きさに変化はあるか」「どれくらい大きくなっているか」など、飼い主様からも情報を伺いながら、触診・エコー・細胞診検査などを行っていきます。細胞診検査とは、しこりに細い針を刺して中の細胞を調べる検査です。ただし、細胞診検査で十分な情報が得られない場合は、しこりの一部を切除してさらに詳しく調べる病理組織検査を行うこともあります。また、レントゲンなどを使って他の場所に転移していないかもよく調べます。

全身の健康チェック

がん以外にも病気やケガがあり、手術・抗がん剤といったがん治療に必要な体力が備わっていないことがあります。そのような状態で無理に治療を進めていくと、余計にペットを苦しめることにもなりかねません。そのため、治療前に血液検査・尿検査・X線検査・超音波検査といった各種検査を必ず実施するようにしています。

治療の種類

外科手術

腫瘍だからといって、何でもかんでもすぐに切除すればいいという訳ではありません。当院では、がんの種類や状態をしっかりと見極めた上で、必要に応じて手術を行うようにしています。

抗がん剤(化学療法)

転移を抑える時や、リンパ腫や白血病といった血液腫瘍を治療する時に使用します。人間のように激しい嘔吐や脱毛が出るようなことは当院ではほとんどありません。

放射線療法

手術が難しい場合でも、放射線治療でしこりを小さくしたり、出血や自壊を緩和したりすることができます。また、リンパ節転移を防ぐために照射することもあります。なお、放射線治療を行う場合は、麻布大学附属動物病院を紹介させて頂いております。

その他

LAK療法(活性化自己リンパ球移入療法)や光線温熱療法などで劇的な治療効果が認められたというケースも一部にはあります。ご希望される飼い主様には、これらの治療を受けられる動物病院を紹介させて頂きます。

とっても大切なターミナルケア

もし、がんになり余命を告知されたとしても、悪性腫瘍が成長しにくくするお食事を作ってあげたり、腫瘍の増殖を抑えるお薬を飲ませたり、サプリメントを使ったりと、最後までしてあげられることはたくさんあります。がんになったということは、飼い主様の愛情のおかげで長生きできたという証でもあるのです。ワンちゃん・ネコちゃんも飼い主様も快適な生活が送れるよう、私たちも精一杯お手伝いさせて頂きます。もしお困りのことや分からないことなどがありましたら、何でもお気軽にご相談ください。